-訪日プログラム-
-Programs of Visiting Japan-

日本青年会議所学生ミッション・ロシア学生代表団

日本青年会議所ロシア友好の会が毎年行っている学生交流事業を本年度は日露青年交流センターとの共催で行うことになりました。 8月にロシアからの学生代表団を日本に招聘し、9月には日本の学生代表団をロシアに派遣する、という内容です。 今回は、8月に実施したロシア学生代表団の招聘についての報告です。

招聘日程

8月21日から8月29日までロシア人学生6人と同行のモスクワ大学日本語教師1名の合計7人が日本を訪れ、東京、京都、下田を巡りました。今回来日した学生は、全員ロシアで日本語を勉強していますが、スラスラとしゃべれる学生がいる一方で、たどたどしい口調の学生もいたりと、日本語のレベルも様々でした。ただ、全員が日本に来ることを夢見ていた学生たちです。

京都では、京都の代表的な神社仏閣(宇治平等院、万福寺、清水寺、平安神宮、龍安寺、天竜寺)を巡り、万福寺では座禅、裏千家では茶の湯を体験するなど、日本の伝統文化に触れることを中心としてプログラムが組まれました。

下田では日本の開国の歴史、日露関係史に縁の深い場所を訪れ、海を眺めながら歴史に思いを馳せる静かな時間をすごしました。最後の滞在地、東京では9月にロシアを訪問する日本人学生との交流会を設け、日本語とロシア語を交えて同世代間での交友を深めました。

1日目 8月21日

ロシア人学生グループが日本に到着し、その後早速9月にロシアを訪問する日本人グループと交流会を行いました。自己紹介から始まり、日本語の勉強を始めたきっかけは何だったのかなど、様々な話題について語り合ううち、次第に打ち解けてきた学生たちは、後日の再会を約束して交流会を終えました。

2日目 8月22日

新幹線で京都に到着しました。9月のロシアへの派遣事業に参加する関西在住の学生さんが合流し、その後平等院へ移動しました。平安時代の建築様式、阿弥陀如来をはじめとする大小様々な仏像、庭園、資料館などを見学し、ロシアの学生達は平等院の美しさにすっかり魅せられていました。

続いて、緑樹院を訪問しました。ここでは、青少年文化研修道場に入山し、住職の方から、禅寺での生活や座禅の仕方についての説明を受け、座禅を行い、また食事の際にも、禅の作法に従って精進料理をいただきました。お皿の並べ方や、おかずやごはんの盛り方など、細かいきまりがいくつもありましたが、そのような決まりの意味を一つ一つ説明していただいたことで、禅についての理解が深まりました。食事の後に食器の片付けを自分達ですることも新鮮な体験でした。


3日目 8月23日

朝4時半に起床し、座禅を行い、その後掃除をしました。モスクワからの長旅の疲れも取れていないはずのロシア学生達でしたが、早朝にも関わらず全員積極的に参加しました。 その後、住職の方から禅の精神について講話をしていただき、萬福寺を案内していただきました。この入山体験はその時点では体力的なつらさを感じる参加者もいたようですが、プログラムの最後には「とても良い経験だった」と感想を述べていました。

緑樹院を下山後、京都市内で日本食作りに挑戦しました。日本人から作り方を教わりながら太巻きやたこ焼きなどを作りました。自分達で作ることができる日本料理はロシア学生たちに喜ばれ、「日本人学生がロシアに来る時には、ぜひロシアの家庭料理も紹介したい」と学生たちは目を輝かせていました。

昼食後は裏千家センターでお茶の講習を受けました。モスクワで茶道を習っている学生は先生の説明にも深い理解を示し、初心者の学生もお茶を点てることの楽しさを発見したようでした。 その後、なかなか訪れることのできない今日庵も見学しました。天井の低さの理由や井戸についてなど一つ一つ丁寧に説明していただきました。


4日目 8月24日

この日は終日京都市内を視察し、清水寺や平安神宮、金閣寺、龍安寺、天竜寺を巡りました。金閣寺の独特の建築様式、池に金色に映る姿に一同特に感動していました。

また、竹林が見たい、というたっての希望により嵯峨野を訪れました。ロシアにはない竹林の美しさは印象的だったようで、散策を楽しんでいました。


5日目 8月25日

京都を出発し、下田へと移動しました。下田滞在中、日本・ロシア協会下田支部の杉坂さんと渡辺さんには、下田での行程に同行して要所要所で説明をいただいたり、人力車で町めぐりをしていただいたりと、大変お世話になりました。
下田へ到着すると、まずは玉泉寺を訪れました。玉泉寺には幕末開国の際に日本を訪れ安政の大地震による津波のため沈没したディアナ号のロシア人水兵のお墓があります。住職の方のお話を伺いつつ、当時の下田の様子やロシアからやってきた船の姿を想像して、ロシア人水兵のお墓にみなで線香を上げました。
次に了仙寺を訪れました。住職の方が絵巻物を用いながら、幕末の日本と外国との関係について解説して下さいました。絵巻がとてもめずらしかったようで、ロシア人学生や引率の先生は、後々もその絵巻がいかにすばらしかったかを熱く語ってくれました。
その後日魯通好条約が締結された長楽寺と記念碑を訪れました。

その後日魯通好条約が締結された長楽寺と記念碑を訪れました。

玉泉寺にて

了仙寺にて

日魯通好条約締結記念碑の前で

6日目 8月26日

朝の5時半から玉泉寺の読経に参加し。その後、6時の鐘を一人ずつつきました。
次に下田市役所にて下田市長を表敬訪問しました。その後、杉坂さんと渡辺さんに下田の町を案内していただきました。

玉泉寺の鐘

下田市長表敬訪問

7日目 8月27日

下田を出発し東京へと移動しました。 東京ではまず、JC会館にて世耕弘成議員の日露関係についてのお話を伺いました。 その後外務省西村政務官を表敬訪問しました。表敬訪問の後は外務省にて日露関係についてのブリーフィングを受けました。
次に再びJC会館に戻り9月にロシアを訪問する日本人学生との交流会を行いました。交流会ではロシア人学生たちは、京都での座禅体験など、下田や京都での体験をとても楽しそうに語っていました。

8日目 8月28日

この日は新宿や渋谷・原宿などを散策しました。日本語の参考書や村上春樹の小説などを買う学生もいました。
その後、9月に訪ロする日本人学生とともに在日ロシア連邦大使館を表敬訪問しました。 公使が一行を迎えてくれ、日本人の学生たちの質問に丁寧に答えていただきました。
大使館の後は日本最後の夜を満喫しました。 ロシア人の学生達は名残惜しそうでしたが、9月に日本の代表団がロシアを訪問する機会に再会することを楽しみに、お別れとなりました。

9日目 8月29日

成田空港からモスクワへと旅立ちました。
この9日間の日本滞在によって彼らは多くのことを体験し、人と出会い、色んなことを吸収し、目に見えない多くのものをロシアに持ち帰ったはずです。ぜひ、この経験を活かしてこれからも日本語の勉強を続け、日本とロシアのより良い未来を担う存在になってもらいたい、これが関係者の願いです。

参加者感想(ロシア人学生が日本語で書いたものです)

プロプキン・アレクサンドル(モスクワ国立測地学地図作法大学)

もう長い間日本に行きたいという夢がありました。感謝の気持ちをすごく感じています。みなさんに大変お世話になりました。どうもありがとうございます。

ブハエヴァ・マリア(モスクワ国立大学アジアアフリカ諸国大学)

日本へ行くのは私の子供時代の夢でした。みなさんにこんなにも素晴らしいスケジュールを作っていただきどうもありがとうございます。毎日おもしろい場所について忘れられないほど美しい景色を眺めながら、日本文化の深い意味を理解するようにしました。学生たちは皆優しくて、かっこいいです。いい友達になると心から信じています。モスクワに帰っても、日本をいつも思い出します。

イマンクロワ・レギナ(モスクワ国立大学アジアアフリカ諸国大学)

日本にお招きいただき、私にとってしあわせです。まことにありがとうございました。印象は全部すごかったです。特に座禅は忘れられません。新しい日本語をたくさん覚えました。有益な体験でした。どうもありがとうございます。

ボンダレンコ・ロマン(モスクワ国立大学アジアアフリカ諸国大学)

こうして日本へ行くことができたのは、信じられないくらいうれしいです。人も、お寺も、気持ちもとても楽しかったです。ほんとうにありがとうございます。

レブロワ・マリヤ(モスクワ国立大学アジアアフリカ諸国大学)

日本は子供の時から私の夢でした。日本の歴史も日本の文化も日本の歌も本当に大好きです。日本に来て幸せになりました。私にとって日本は外国ではありません。そしてみなさんのやしさにおどろきました。心からの感謝を表すために必要な言葉がないですが、Спасибоと言いたいです。

ミロヴィドヴァ・アナスタシヤ(モスクワ国立大学アジアアフリカ諸国大学)

このプログラムに参加するチャンスをもらったことがいまだに信じられません。日本へ訪問する前のイメージとは違っていました。日本の生活はとても気に入りました。特に座禅です。手厚いもてなしをまことにどうもありがとうございます。みなさんと日本に滞在することができ、幸せでした。

9月には日本人学生がロシアに出かけて行きます。今回の日本滞在中の出会いを大事に、彼らはロシアで暖かく迎えてくれることでしょう。

特別インタビュー
日本青年会議所 小田会頭 ✕ ロシア友好の会 松本会長

「なぜ、JC(日本青年会議所)が日露の友好活動を?」
オススメ記事

All right reserved, Copyright(C)
 Japan Russia youth Exchange Center 2000-.