-訪日プログラム-
-Programs of Visiting Japan-

日本語履修学生グループ


今年も、ロシアの大学で日本語を勉強している大学生達が日本へやって来ました。学生達は、日露青年交流センターがロシアに派遣している20名の日本語教師の教え子達です。さらに今回は、ロシアの北東部であるカムチャッカ州・マガダン州にある大学の学生も参加し、全員で27名のグループとなりました。ほとんどが日本に来るのは初めてで、日本に来ることをずっと夢見ていた学生達です。日本語のレベルはまちまちで、日常会話がほぼ問題なくできる学生もいれば、勉強を始めて2年目でうまく通じるかどうかドキドキしながら日本語を話している学生もいました。

11月11日

モスクワ、ウラジオストク、ユジノサハリンスクからの飛行機で22名の参加者が成田に到着しました。モスクワと言っても、モスクワに住んでいる学生は一人だけで、それ以外は地方からモスクワまで移動して、そこから10時間かけてやって来ました。ノヴォシビルスクからの参加者は「早くシャワーを浴びたいです」と少しぐったりした様子。時差の関係もあるのかもしれません。一方、日本に近い極東地域からの参加者は到着早々元気いっぱいでした。

11月12日

22名は都内視察。一方で、ハバロフスクから5名の参加者が成田に到着し、この日の夜から公式プログラムが始まりました。歓迎会には、以前日本語教師としてロシアに派遣されていた先生達にも数名参加してもらいました。久々に会えた懐かしい先生に学生が思わず抱きついて泣き出すシーンもありました。

11月13日
日本人学生との都内散策。日露学生会議・日本ロシア学生交流会の他、東海大学の学生さんから希望者を募り、小さなグループに分かれて都内を案内してもらいました。地下鉄やJRを使って、新宿・渋谷・原宿・東京タワー・お台場などを散策。渋谷のスクランブル交差点の人ごみ、日本人の若者のファッション、東京タワーからの大都会の街並みなど、すべてが強く印象に残った様子でした。何より、色んな話をしながら1日案内をしてくれた日本人学生との出会いが嬉しかったようです。
11月14日

新幹線で東京から京都へ移動しました。京都では神社仏閣の視察や文化体験プログラムが組まれました。京都に同行した日露青年交流センターのスタッフが、日本語ではちょっと理解が難しいかなと思うところをロシア語で案内していると、「日本語で話してください」と言われてしまう一幕もありました。また、移動の途中、京都の町並みに見惚れて写真を撮っているうちに、グループとはぐれてしまった学生もいました。自分達で交番に行ったり、道行く日本人に助けを求めたりして、困っていたところをやっと発見。後になって聞いてみると、日本人から「どこから来たの?」と聞かれてマガダンの場所を説明するのに大変だったということでしたが、何だかとても嬉しそうでした。

講師の先生の実演をじっと見つめる。

座禅体験。なんとか10分は座れました。

11月15日  引き続き京都を視察しました。

龍安寺石庭にて。

神社で手を清めるのも板についてきました。

11月16日

京都を出発して東京へ。外務省を訪問し、日露関係についてのブリーフィングの後、『通訳になりたい人への実践的なアドバイス』と題して、日本でロシア語通訳・翻訳家として活躍するアレクセイ・ジノフさんにご自分の経験をもとに通訳・翻訳の難しさ、注意点をお話いただきました。今回来日した27名の中から将来ジノフさんのように活躍する人材が生まれるといいと思います。

11月17日

東海大学(藤沢キャンパス)を訪問しました。広いキャンパス内を東海大学の学生達に案内してもらい、その後、同大学在籍中の外国人留学生のための日本語授業を見学しました。

お昼休みは、くつろいだ様子で日本人学生と楽しく過ごしていました。一見大人っぽく見えるロシア人学生ですが、同世代の学生の中では、無邪気な雰囲気に変わります。

午後は、『日露の学生生活比較』『日本語(外国語)を学ぶということ』という二つのテーマに分かれてグループディスカッションをしました。自分の意見を日本語で説明しようと頑張る学生、適当な言葉が思い浮かばなくて途中から英語で話す学生、など様々でしたが、多くのロシア人学生にとって忘れられない時間となったようでした。

11月18日, 19日

18日はモスクワ、ウラジオストク、ユジノサハリンスク行き、19日はハバロフスク行きにと、順々に飛行機に乗り、学生達は日本を去って行きました。11月のロシアは雪が降り、本格的な冬が到来する時期です。分厚いジャケットを着込み、たくさんの荷物を抱えて旅立って行きました。

ロシアに戻った学生達について、「目をキラキラさせて日本で見たことを話してくれました」と何人かの日本語教師から報告を受けています。学生達本人もアンケートに書いていましたが、今回のプログラムは日本語の勉強を続けるためのとても良い動機づけになりました。日本語漬けの生活をしたこと、今まで勉強してきた日本の文化や歴史について自分の五感すべてで確かめることができたこと、そして何より日本人の友達ができたことが彼らにやる気を与えてくれたのではないでしょうか。

学生達はその後もfacebookなどを通してやり取りを続けているようで、先日もカムチャッカに住む学生が「今度○○(日本人の学生)がロシアに来るらしい!」と教えてくれました。今回の出会いをきっかけに、日本人とロシア人の絆がより深まっていくことが望まれます。

 
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