-訪日プログラム-
-Programs of Visiting Japan-

日本青年会議所学生ミッション・ロシア人学生代表団

JC(日本青年会議所)ロシア友好の会は長年にわたりロシア学生ミッションを実施してきましたが、今年も派遣・招聘プログラムを日露青年交流センターと共催することになりました。本プログラムではモスクワ国立大学とサンクトペテルブルク国立大学の学生と教師で構成された14名のグループを招聘しました。

宇治平等院前で


参加者

      モスクワ国立大学学生9名、教師1名
      サンクトペテルブルク国立大学学生4名、教師1名
      日本人同行学生 1名(その他日本人学生協力者スポット参加)

滞在日程
      8月19日  来日。第1回勉強会会場へ。第1回勉強会「武士道について」岬龍一郎氏
      8月20日  第2回勉強会「北方領土元島民体験談」千島連盟関東支部山本昭平氏。ロシア大使館、外務省訪問
      8月21日 京都へ移動。寺社仏閣視察 
      8月22日 福寿園宇治工房での抹茶づくり体験。日本文化体験(茶道)。宿坊体験(禅寺宿泊)
      8月23日 工場見学。琵琶湖視察
      8月24日 近畿大学訪問。東大阪市市長表敬訪問。東大阪町工場見学
      8月25日 ホームステイ先へ移動(東京、名古屋、大阪)
      8月26日 ホストファミリーとの交流
      8月27日 各滞在先から東京へ移動。夜、レセプション
      8月28日 成田空港よりモスクワへ出発

それではロシア人学生に全行程同行した東京外国語大学2年生七田光朗さんの同行レポートをお読みください。

8月19日
招聘グループ日本に到着。一息つく間もなく、勉強会会場の文京シビックセンターへ。約2時間にわたり、武士道についてのレクチャーを受けました。5月にロシアに派遣された日本人学生も参加して、早速交流が始まりました。
8月20日

午前中に行われた第2回勉強会では、北方領土元島民の方の貴重な体験談を聞きました。

日本人学生からも質問が出ました。

午後からはロシア大使館と外務省に表敬訪問しました。

ベールイ大使と記念撮影

外務省表敬

8月21日

新幹線で京都へ移動し、寺社仏閣を見学しました。


8月22日

裏千家で茶道体験に臨みました。
その後、福寿園宇治工房で抹茶作りを体験しました。

この日の宿泊は宇治緑樹院での宿坊体験となりました。夕食の後に座禅を組み、就寝。普段の生活とはかけ離れた世界に戸惑いながらも、旅の疲れも手伝って熟睡しました。

8月23日

緑樹庵にて

禅体験は早朝4時半の起床から始まりました。まず始めに掃除。5時半から座禅、その後朝食、そして説法を聞くといったものです。なかなか大変でした。
このプログラムで驚いたのは禅の生活スタイルです。全てに作法があり、食事の時の箸の置き方、配膳の仕方、食べ方、片づけ方まで決まりがあります。食事の時間も修行だという精神に基づいて、早く食べなければなりません。合理的で無駄のない生活スタイルを知り、洗練された日本文化に触れ、日本人にとっても有意義な体験となりました。夕方は琵琶湖湖畔で過ごしました。
8月24日
この日は午前中に近畿大学を訪問し、原子力実験装置を見学しました。
午後からは東大阪市市長へ表敬訪問した後、中小企業の技術力を結集して、汎用小型衛星の実験衛星「まいど1号」打ち上げに成功した東大阪町工場を見学しました。

東大阪市長訪問

8月25日, 26日
この2日間はホームステイ体験をしました。私は名古屋の実家にモスクワ大学5年生のステパン君を受け入れました。初日は名古屋城や大須を散策。翌日は祖父の畑で農作業の手伝いをしました。午後には市内の水族館に行き、本屋でお土産の本を購入しました。日本語も堪能で日本に関する豊富な知識を持つステパン君は家族の人気者になり、彼に刺激を受けた家族はもっと日本について学ばなければいけないという気持ちが湧いたと話していました。特別な待遇はせずに普段の生活に彼を迎えたことで、日本の一般家庭の生活を知ってもらえたのではないかと思います。今回の体験は自分にとっても新鮮で、ステパン君の学習意欲に触発され、自分も努力をしようという気持ちを覚えました。
8月27日

各ホームステイ先から東京へ集合し、パナソニックセンターで最先端技術を見学。
夜にはレセプションが開かれました。各参加者が出席者の前で感想を述べましたが、流暢な日本語、たどたどしい日本語と、若干の差はありながら一所懸命に感謝の気持ちを表現した姿が印象的でした。この日が日本滞在最終日。すっかり親しくなった日本人学生と別れを惜しむ場面が見られました。10日目の朝、空港に見送りました。

今回のプログラムでは興味深かったもの、感動したことなどが語りつくせないほどあります。今まではロシア語を学びながらも、ロシアは遠い存在でした。しかし今回10日間を彼らと共に過ごしたことで、ロシア人がより身近に感じられるようになりました。ロシア語の学習意欲も上がりました。そして、今回のプログラムを通して、日本についてもっと知りたいという思いを強くしました。禅体験を始め、日本文化には現代にも通用する洗練されたものがたくさんあると感じました。ロシア人という鏡を通して初めて日本の姿がより鮮明に見えてきた気がしました。そのような意味で、このプログラムはロシア人だけでなく日本人にとっても意味のあるものだと思います。今回の経験を生かして、さらにロシア語学習に努め、ロシア人との交流を続けていきたいと思います。


日本人参加者の声

ロシア人学生のホームステイに協力していただいた学生の皆さんからも感想が寄せられました。
ここではサンクトペテルブルク大学3年生エフゲニー・フィリポフ君を受け入れてくださった立命館大学国際関係学部2回生木村俊明さんの感想をご紹介します。



「今回ロシアミッションを通じて私が学んだ事は人的交流、とりわけ若者同士の交流こそがその後の国家の関係性を良いものに導くものだということです。隣国同士の関係というのは経済的、政治的利益のために衝突しやすく、加えて国民の間に国家のナショナリズムというものを吹き込めば問題はより複雑な様相を帯びていくことでしょう。国家の関係性は基本的に衝突であると私は考えています。しかし、両国の人的交流はこうした国家の間に入るクッションとなり、関係性を良好なものにすると思います。せっかく築いたこうしたネットワークを壊したくないとする両国の思いが持続的な両国の発展につながるのだとおもいます。そういった意味でこのホームステイプログラムは今後につづく人的交流という点から大変有益であると感じました。

今回、ともに両国のことを、国民の目線から話し合うことで、それまで知らなかったロシア人が感じるロシア問題や、対日意識を知ることができました。たとえばロシアの西側の人々は北方領土問題に対してかたくなにロシア領と主張しているわけではなく、関心の度合いも低いという話を聞きました。日本に対する意識は、豊かで、立派な歴史を誇っているが、アメリカの軍事力に自国の安全を頼っていることは、国のあり方として信じられないという話もききました。また私の祖父の家にも連れて行きました。祖父は自分の弟がシベリアで抑留され亡くなったことを伝え、当時のソ連に対する思いを打ち明けました。ロシア人学生の反応は厳しいものでしたが、祖父とフランクに接してもらい、祖父も最後は固い握手で別れを告げました。きっと祖父の中では何らかの変化が生じていることを私は確信しています。

こうした対話を通じて私たちのパイプは太くなったと思いますし、今後もますます対話を続けていき、互いの理解を深めていきたいと感じました。また相手も自分と同じことを感じてくれていると確信しています。ホームステイはそういう濃密な時間を過ごせたのでとても有益でした。」

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