-ロシアの教室から-

寒くて温かいノヴォシビルスクから・・・(ノヴォシビルスク国立工科大学 本間愛州佳教師)

 -20度のノヴォシビルスクからこんにちは。「ノヴォシビルスク…どこだろう?」と思われる方も多いのではないでしょうか。学生の紹介をちょっと見てみましょう。

「シベリアの南にあります。」
「ロシアの真ん中にあります。」
「モスクワから3000キロです。」
「ウラジオストクとサンクトペテルブルクの間です。」

 皆さんは、どれが一番しっくりくるでしょうか。私は、よく「ロシアの第3の都市です」と紹介したりしていましたが、学生の紹介もなかなか面白いですね。また、「札幌の兄弟です。」と言う学生もいました。
 ノヴォシビルスク市は北海道札幌市と姉妹都市提携をしています。ノヴォシビルスクの人々は「北海道(Хоккайдо)」というと皆さん良いリアクションをしてくれます。

シベリア鉄道のノヴォシビルスク駅


  ノヴォシビルスク市の名所と言えば、オペラ・バレエ劇場です。ここはレーニン広場に位置しているのですが、お正月のための松の木(クリスマスツリー)が飾られています。現在は、ワクチン接種証明といったロシア国内のQRコードがないと劇場に入ることができません。しかし、皆さんがノヴォシビルスクにいらっしゃった時にはぜひ足を運んでみてください。

レーニン広場の松の木とオペラ・バレエ劇場


 さて、前置きが長くなりましたが、本題の「ロシアの教室から」に移りましょう。このノヴォシビルスク国立工科大学(Новосибирский Государственный Технический Университет)はノヴォシビルスク市の中心地の近くにあり、地下鉄ストゥヂェンチスカヤ(Студенческая)駅から徒歩1分のところにあります。周囲には他にも大学などがあり、まさに「学生街」です。
 本学で日本語を学習する学生は1年生から院生まで約72名(2021年12月末現在)です。コロナ禍ということもあり、日本でのインターンや研修、旅行なども叶わない現状ですが、学生たちはモチベーションを保ちながら、日々勉強に励んでいます。時には、ロシア初心者の私のロシア文化の先生、ロシア語の先生、生活のサポーターになってくれる学生もいます。寒いノヴォシビルスクで、学生や先生方の温かい優しさが染み渡ります。

普段日本語の授業をしている三号館


 今回は、4年生の授業を覗いてみましょう。4年生のとあるクラスでは、卒業試験に向けて「地理」「環境問題」「宗教」「伝統文化」「教育制度と若者の問題」というテーマについて勉強をしています。その中でも「伝統文化」は学生の関心が大変高いテーマの1つです。このテーマでは、授業内で「茶道体験」を行いました。
 最近ではインターネット上で「お家で簡単に」「抹茶を気軽に楽しむ」「マグ抹茶」などとして気軽に茶道を楽しむことが広がっています。まず、茶碗は本格的な道具がなくても、学生の好きなカップ、カフェラテボール、スープのカップなどで代用できます。茶筅と抹茶はどうしても必要ですので、これらは日本から持参しました。100円ショップで購入可能な懐紙も持参しました。

抹茶と茶筅


 学生の多くは、本格的な茶道を見たことがあります。もう既にイメージがあったので、今回はまず基本的な道具の用語を確認しました。お茶のたて方については、動画を見て学生と共に学び、いざ抹茶をたてます。学生は積極的に動いて協力し合い、交替で抹茶をたてていました。
 学期末と言うことで、学生は皆試験やレポートに追われています。忙しい毎日ですが、お菓子を楽しみ、抹茶を飲むことで束の間の癒しの時間になったようです。学生からは、「私は初めて自分でお茶を作りました。味は良かったです。とても幸せでした。」などと感想をもらいました。また、授業の中で記憶に残っていることや楽しかったことを聞いたとき、茶道と答えてくれた学生もいました。


 日本人教師は意外にも「伝統文化」を知らないことが多いです。灯台下暗しという感じでしょうか。私も小学生の時に茶道を少し楽しんだ経験がありますが、教えるほどの知識も技術もありません。しかし、「学生と共に学び、共に体験していく」というのも海外での日本語教育における醍醐味ではないでしょうか。そして、このように学生が能動的に取り組んでくれる場を作ることも日本語教師の役割の1つだと思います。
 2022年も学生と、そして先生方と共にこのノヴォシビルスクで日本語教育を盛り上げていきたいと思います。

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