-ロシアの教室から-

サンクトペテルブルクで長期計画実行中!(サンクトペテルブルク国立経済大学 林 清香教師)

 私は2020年12月からサンクトペテルブルク国立経済大学で日本語の授業をしています。と言っても、コロナ禍で渡航ができず、ずっと日本からオンラインで教えていました。2022年1月末、やっとサンクトペテルブルクに着任することができました。



 サンクトペテルブルク国立経済大学は、街の中心を通るネフスキー大通り沿いのカザン大聖堂近くにあります。目の前にある銀行橋のグリフォンが、大学のマークにもなっています。



 私が日本語を教えている人文学部東洋言語学科の建物は、メインキャンパスや寮から程近いところにあります。こちらへ来てからもコロナ感染状況に鑑み全学オンライン授業となっていましたが、3月から一部対面授業が再開されることになりました。ロシアの大学の教室で、直接学生たちに日本語を教えられることをとても楽しみにしています。

 ところで、私は日本にいたときから、大学・国の枠を越えた「日本語交流授業《架け橋》」を実施しています。これは、日本語学習者と日本語母語話者が4~6人の小グループに分かれ、日本語でフリートークする会話クラブです。基本的には、日本語初級修了以上の学生が対象になっています。日本語フリートークのあとで、希望者が参加するロシア語フリートークの時間も設けています。これまでに34回実施、参加者は日本やロシアなど8か国から計150人、のべ546人となりました。



 今までは初級修了前後のクラスばかりを担当していたのですが、今学期は初めて初級前半のクラスを担当することになりました。彼らにもぜひ教師以外の多くの日本人と交流する機会を持ってほしいと思っていますが、既存の会話クラブには常連になっているレベルの高い参加者が多く、初級前半学習者が参加しても厳しいのが現状です。そこで、来年度になったら彼らも会話クラブに参加できるように、その下地を作るカリキュラムを組みました。基本的な自己紹介、家族や趣味、日本語学習のきっかけ、サンクトペテルブルクについてなど、会話クラブでよく日本語母語話者が質問するテーマを選び、話せるようにする準備をしています。先日の授業では、事前に学習した表現を使ってクラスメイトに家族やペットについて質問したり、その質問に答えたりする練習をしました。



 また、サンクトペテルブルクでは毎年日本語弁論大会が行われているのですが、例年経済大からの参加者はいません。来年の弁論大会にはぜひ経済大からの参加者を出したいと思い、今、長期計画を練っています。発音やアクセント、イントネーションをオンラインで指導するのに難しさを感じていましたが、これからは対面授業が増えていくはずですので、「話せるように」だけではなく話し方にも重点を置き、弁論大会に挑戦できる人材、更には入賞(欲を言えば優勝!)できる人材を育てていきたいと考えています。サンクトペテルブルクには伝統ある日本語教育機関が多いですし、簡単なことではないと分かっています。しかし、日本語で知識を得、日本語で意思を伝えられる人材を育てるために、遠くの高い目標を見据えながら、日々一歩一歩、小さな目標をクリアして前進し続けていけるよう、この地で学生と共に頑張ります。

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