日露修好150周年記念回航事業 【参加者の声】

茶の湯 土田祐子 Yuko Tuchida(及 杉原ひろこ Hiroko Sugihara )

「茶の湯」は、建築・書画・香・花・能・料理・菓子・陶磁漆器など、多くの日本文化を包括し、これからの露国を創っていく国から選ばれた若い方々に、ご紹介出来ることは大変光栄な事でございます。 今回、言葉・場所などのハンディがあるため、文化芸術を愛する国の方の審美眼で利休消息(約440年前の手紙)など古いものもご紹介し、何か感じて頂ければと思いました。 このように大切な品を用いるのは、「近くて遠い隣国の友人」であるロシアの皆様との久しぶりの再会を、それ以上に大切に想う気持ちからです。




通常茶の湯ではこのように明言致しませんが、露国は、さすがに中国・アメリカの約2倍と世界最大の国。 いらっしゃる皆様の顔ぶれは北欧的から東洋的と様々であり、拝見した舞踊や音楽も、楽しくなる民俗音楽から高尚な世界一のバレエなど多岐に渡り、国を挙げて特別な人材育成をしてこられたレベルの高さと、もてなしの心が、その演技や学生のふるまい、発表論文の内容から伺えました。

船中で友人になった学生さんの1人は、「お爺様は?」の問いに「私の祖父母は」と答え、気を使って用いた「ライフスタイル」の言葉に「生活様式ですね」と格調高い日本語で応対、とても感銘を受けました。 また日本語の上手な学生さんは、祖父母の幼少期、日本人駐屯兵が母国の我が子を想ってか、お菓子をくれるなど遊んでくれ、いつもとても優しかった為に日本語が上手だと聞かされ、親の世代とは違うと語ってくれました。

海外に出られる方には、はっきりとした意思表示や、国際儀礼・話術・ふるまい等、若くても重要であると認識致しました。


日本とロシアの国交は、沈没する露船員の危機を見て、かけがえのない命を救おうと、自分の命も顧みず救助に向かった日本人の、人間としての抑えがたい「人類愛」から始まったと伺います。 関係者は百年以上、対戦中も「仏に罪無し」として露国のお墓を大切に守り続けてこられました。 今回の事業までも長い年月に渡り、両国間で関係諸氏の並々ならぬ影の尽力があり、この心温まる関係が存在します。 先人に恥ぬよう、この人間愛のお付き合いが大切に守られるようにと、願ってやみません。