日露修好150周年記念回航事業 【参加者の声】

日本ロシア学生交流会
法政大学国際文化学部2年
西野聡

※右から2人目。ウラジオストクにて

日露修好150周年記念回航事業」。僕の所属する団体が当事業への参加が決まった時、僕たちが普段から行ってきた日露学生交流活動を活かせる場が、このような記念すべき形をとって舞い込んできたことに、そして純粋にそれに参加できることに、誰もが興奮の色を隠せなかった。それから当事業の開催までに、僕たちは細かな打ち合わせと大まかな役割り分担をした。皆がそれぞれに多かれ少なかれの期待と不安を抱いている中、気付けば出航当日が着々と迫っていた。

船は思いのほか居心地のいい空間だった。ソ連製の船と聞いていたので、パンフレットで見た船の写真がどんなに写りが良くとも、実際は決してそんなことはないだろうと疑ってかかっていたのだ。僕たちの「ルーシ号」は外見・内装などは一見して古びた感じである。しかし、細かな点において―例えば毎日従業員の方々が部屋を掃除しておいてくれる、売店やミュージックサロンでカップ麺など日本製品が手に入る、乗組員の方々が親切―そういった点で僕たちは精神的にも支えられ、この全く慣れない環境でもすぐ適応することができ、数日もすればここが当たり前の空間になっていた。

僕たちの10日間の日程は、文字通りあっという間に過ぎていった。前日の朝方まで準備したウラジオストクでの学生会議の司会、日露ゆかりの地散策、函館・下田でのレセプション。ロシア人学生100名近くに対して、日本人学生30数名という割り合いだったので、当然言語面などでカバーし切れない面も多く出てくることだろうと思っていたが、各自がそれぞれ自分の利点を活かしつつ補い合っていた場面もあり、それほど目立って不便を感じるような部分はなかったと思う。むしろ僕たちは色んな話をした。文学・政治・言語学習について等、互いに興味のある話題を探して、それについて語り合った。

今回の参加にあたり、僕たちはいろいろな点で苦労し、多くの方々に迷惑をかけ、多方面の関係者の方々から支えられた。それに対して大変感謝するとともに、下田提言にもあるように、僕たちは今後この交流が途絶える事ないよう、この事業をきっかけとして有志の学生団体を発足し、今後の日露交流の良好化につなげられるような活動を起そうと思っている。