日露修好150周年記念回航事業 【会議参加者のスピーチ】

東京外国語大学外国語学部ロシア・東欧課程ロシア語専攻3年
日下 直子

みなさん、初めまして。私は東京外国語大学ロシア語専攻3年の日下直子と申します。

日本との長い交流の歴史を持つ、ここウラジオストクにおいて、温かい雰囲気の中でスピーチが出来ることを心より嬉しく思っております。

歴史を振り返れば、ロシア第一回遣日使節アダム=ラクスマンが根室に来航したのは1792年のことでした。この出来事をきっかけに当時鎖国状態だった日本は、よりいっそう海外へ目を向けるようになり、約60年後の開国へと向かい始めます。つまりロシアは日本の近代化に大きな役割を果たしたのです。このように、ロシアは日本にとって昔から重要な国であり、またこれからもそうであり続けると思います。

今年はそのような両国が通好条約を結んで150周年という記念すべき年であり、それを祝うたくさんのイベントが催されています。この回航事業もその中の一つです。そこで私は、この回航事業をどのようにして将来の更なる両国関係の発展に結びつけるかを考えました。

このプログラムには、日露関係の将来を担うべき若者達が多く参加しています。その私達が、約1週間、船内という限られたスペースの中で密な共同生活を送ることによって、より両国の国民性に対する相互理解を深めることができるでしょう。また両国の歴史的地点を共に巡ることで、私達の先人の苦労、感動、両国関係の発展にかける思いに対する共通認識を持つことができるでしょう。さらに幸せなことに、尊敬すべき両国の伝統芸能に触れる企画も設けられています。これらのプログラムを通じ、私達は個人的にも、両国の若者代表としても真の友人となれることを確信しています。

ここでみなさんにお願いがあります。みなさんが函館、下田、愛知で、私達がウラジオストクで、見、聞き、感じたことは私達全員の心に強く残ると思います。そこで、これが重要なのですが、自分の町に帰った後、周りの家族、友達、町の人々に、自分がこのプログラムで何を感じ、考えたのかを伝えてください。良い所も不可解であった所も全てをありのままに伝えてください。両国関係の発展において「お互いを良く知ること」そして「興味を持つこと」は単純なようですが、必要不可欠なことであり根幹であると考えています。この貴重なプログラムに参加することのできた私達が情報の発信源となりましょう。少しずつ、しかし確実に相互理解の輪を広げていくことが、両国の友好的な将来のために大切だと思います。

   ご静聴ありがとうございました。