若手研究者等フェローシップ(2009)



内田和典
2010年1月

(シェフコムド・ハバロフスク郷土誌博物館
考古部長から新石器時代土器の胎土に関する
レクチャーを受ける)

アムール下流域の本格的な考古学調査は1930年代から始まる。その後60〜80年代にかけて多くの遺跡の発掘調査・報告書の刊行が相次いだ。90年代のソ連邦崩壊による一時的な政治・社会的な混乱から抜け出した2000年代には、日本・中国・韓国など周辺地域の研究者との合同調査が実施され、国内外を通じた研究者交流が活発になっている。そのため研究の発展が目覚ましく、今世紀に入り新たな研究段階を迎えたと言えるだろう。



2010年2月

(コスチナ・ハバロフスク郷土誌博物館
資料管理部部長から資料管理について
説明を受ける)

アムール下流域では毎年6〜9月にかけて考古学の発掘調査が実施されます。調査で得られた資料は博物館に持ち帰り、洗浄・注記・データベースづくりがなされ、研究や博物館展示などに利用できるように管理されます。しかし、毎年の発掘調査で得られる土器や石器などの資料は1遺跡でも5,000点以上となります。そのため増加する一方の資料をどのように保管するかが重要な問題となってきます。こうした状況は日本の博物館などでも直面している問題であり、国を超えた悩みどころと言えるでしょう。ハバロフスク考古博物館では、貴重な資料を後世に伝えられるよう創意工夫を凝らしながら保管スペースを確保しています。



2010年4月

(ガルシコフ・ハバロフスク郷土誌博物館
学芸員がトレース作業をする)

考古学調査では、野外での発掘調査と同様に大切な作業として室内作業がある。室内作業では、出土遺物や遺跡で記録した遺構の図面を整理し、1冊の報告書を作成する。近年では日本考古学の整理作業においてデジタル化が進み、ドローソフトや編集ソフトなどが利用されることが多くなってきた。当館においてもデジタルトレースが導入されており、少ない時間で大量の図面を効率よく作製することができるようになった。しかし、日露で使用するソフトが異なる場合があり、データの受け渡し時の問題についてはまだ解決がなされていないので、効率化を図るための方法を考えていかなければならない。