日露青年招聘・派遣事業

ハバロフスク第19回青少年国際芸術フェスティバル

(2009年3月12日~3月16日)


向って左から、笹倉一哉さん(ピアノ)、ロシアの声楽家、通訳のナターシャさん、堀田真理恵さん(トランペット)、
中国の民族楽器演奏家、アルメニアの声楽家

ロシアは、芸術をとても大切にする国です。その文化が、才能ある若い人達にできるだけチャンスを与えようとする、この青少年国際芸術フェスティバル「アジア太平洋地域諸国の『新しい名前』」を生みました。今回、兵庫県から2人の学生演奏家が日露青年交流のプログラムでこの国際フェスティバルに参加しました。このフェスティバルは、今回で19回目を迎え、日本のほかロシア、中国、韓国から7歳~22歳の青少年が参加し、総勢400名以上となりました。フェスティバルは音楽演奏、絵画、CG・アニメの3部門からなり、音楽部門に参加した日本の参加者2人は、数年ぶりの日本からの参加者として、また、ロシアではめずらしい女性トランペット奏者として、あるいは、才能あふれるピアニストとして、注目を浴び、現地のラジオやテレビでも紹介されました。初めての海外での舞台のため、とまどい、緊張しながらも堂々と演奏をこなし帰国した2人の報告をお読みください。



日程

3月12日 伊丹空港→新潟空港→ウラジオストク→ハバロフスク

3月13日 在ハバロフスク日本総領事館、情操教育センター訪問 午後:リハーサル

3月14日 アムール川視察、美術館、博物館視察 午後:リハーサル 夕方コンサート

3月15日 市内視察 午後:リハーサル 夕方:コンサート 夜:交流会

3月16日 市内視察 ハバロフスク→新潟空港→伊丹空港



1日目

不安と期待を胸に、ついに1日目がスタートしました。慣れない飛行機に乗り、2人とも初めての海外に出発しました。新潟空港からウラジオストク行きの便に乗り、ロシア人の乗務員とロシアの機内食に、日本から出るんだという実感が少しわいてきました。乗り換えのウラジオストク空港では、英語も通じずロシア語もわからない不安な状態でした。

3月のハバロフスクは雪景色

そんな中、時間通りに搭乗口近くにいたはずが、放送で名前が呼ばれたことに気づきました。驚いてあたふたしていると、隣にいたロシア人のおばさんが親切にジェスチャーでどこに行けばいいかを教えてくれました。危うく乗り遅れそうになっていた私たちを助けてくれたおばさんに、ロシアの人の温かさを感じました。無事ハバロフスクに到着し、領事館の方と、他のロシア人の方が出迎えてくださいました。ホテルに向かう途中、車の中から初めて生で見た外国の風景にとても感動し、また、ほっとしたのを覚えています。




2日目

ホテルでの食事は、口に合うものばかりではありませんでしたが、ほとんど好奇心で食べているという感じでした。代表的なロシア料理のボルシチは、とてもおいしくいただくことができました。朝食後、通訳のナターシャと初めて出会いました。同い年だったため、とても親しみが持てました。日本語がとても上手で、通訳としてだけでなく、友達のようにいろんな話をすることができました。その後、日本領事館に行き、総領事とお会いし、20~30分ほどお話をしました。今回の演奏会をとても楽しみにしておられる様子で、気が引き締まる思いでした。夕方の鉄道大学でのリハーサルでは、特に時間が決まっている訳ではなく、それぞれが自由に練習している様子で、日本のような窮屈さがなく、いい印象を受けました。他の出演者の演奏も少し聴くことができ、それぞれの国の雰囲気を感じました。また、夕食時に総領事館の方々からロシアや他の国についての談話をたくさん聞き、一気に世界が広がる思いがしました。



3日目

3日目はコンサート本番でしたが、あいた時間にハバロフスクの街を視察することができてとても充実していました。凍ったアムール川の上を歩いたり、博物館、美術館めぐりをして、ロシアのスケールの大きさ、歴史を感じました。


海のように広いアムール川



1日目プログラム
1.ハイドン/トランペット協奏曲変ホ長調より第2楽章
2.アンダーソン/トランペット吹きの子守歌
3.ショパン/練習曲op.12-5「黒鍵」
4.ショパン/練習曲op.25-12「大洋」
5.平井康三郎/幻想曲「さくらさくら」
6.ジブリ・メドレー/もののけ姫~いつも何度でも~
 となりのトトロ
7.童謡メドレー/冬げしき~夕やけ小焼け~おぼろ月夜~
 赤とんぼ~ふるさと
* 3.4.5.はピアノソロ

2日目プログラム
1.平井康三郎/幻想曲「さくらさくら」
2.童謡メドレー/冬げしき~夕やけ小焼け~おぼろ月夜~
 赤とんぼ~ふるさと
3.ショパン/練習曲op.25-12「大洋」
* 3.はピアノソロ

コンサートでは日本とは違う和やかな雰囲気の中で、リラックスして演奏することができました。途中、司会進行が打ち合わせ通りにいかないハプニングがありましたが、それでも動じずに物事が進んでいくのがロシアのおおらかな文化なんだと思いました。

コンサート後に行った日本料理屋では、日本に懐かしさを感じつつ、外国で食べる日本食はどこか違って、面白く感じました。



4日目

コンサート直後 いい笑顔です

ロシアでの3日目の朝を迎え、ここでの生活に少し慣れてきたのを感じました。最初は全くわからなかったロシア語も、ほんの少し単語を覚えただけで馴染みが深くなり、また、たくさんのロシア人に囲まれてバスに乗るのも、普通の出来事と思えるようになりました。コンサートは2日目で、よりリラックスして演奏に臨むことができました。現地のテレビとラジオの取材を受け、緊張しながらも自分たちの思いを伝えました。



ラジオ『ロシアの声』よりインタビューを受ける



右からハバロフスク市長、貝谷総領事、鉄道大学学長と

コンサートの後は、総領事が公邸で各国の交流会を兼ねた立食パーティーを催してくださいました。ハバロフスク市の市長さんも来られており、普段感じることのない特別な雰囲気に感動し、忘れることのできない夜となりました。



お寿司は世界のいろんな場所で大人気

ロシア、アルメニア、中国の出演者と交流し、それぞれの国のことを少し知ることができました。また、食事は日本食だったため、箸の使い方など、日本の文化を知ってもらうこともできました。



5日目

最終日を迎え、ロシアを発つ名残惜しさと、日本にいる家族や友人に早く会いたいという気持ちが入り交じり、複雑な思いでした。空港に着き、これで5日間いつも支えてくださった総領事館の方やナターシャとお別れだと思うと、とても寂しかったです。同時に、この出会いをもっと大切にしたいと思いました。ハバロフスク空港からは自分たちだけになりましたが、行きには全くわからなかった外国の空港の雰囲気や仕組みにも慣れ、少し成長を感じました。新潟に帰ってきたときの、空からの日本の風景は今も忘れられません。


この5日間で、2人ともいろいろなすばらしい経験をすることができました。今回の交流事業のために、たくさんの方のお力をいただいたと思います。最後になりましたが、今回お世話になったすべての方に感謝したいです。これから、この経験を決して忘れることなく、新たな場所で生かせていけたらと思います。



 
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