基調報告


日露学生フォーラム2007 基調報告

ロシア側学生代表 アンドレイ・アンドリヤノフ(モスクワ大学理学部大学院)

  ロシアと日本の経済的、政治的関係は、近年著しく進展した。日露は、国際問題の解決に当たり重要なパートナーとなっている。両国の協力関係は、自由、民主、法の支配および人権の尊重という普遍的価値に基づいている。
  ロシアと日本は、アジア・太平洋地域における主要国家である。各国の地政学的利害関係のため、この地域をめぐり衝突が繰り返されたが、これはまた日露関係にも影響を与えた。150年以上に亘る両国関係の歴史の中で、対立した時代も、また、平和的時代もあった。しかし、両国の間には常に尊敬の念が支配していた。日露の戦略的配慮は、相互の発展のためにエネルギーと資金の交換という形をとっている。21世紀に入り、我々の関係は新しい進化の道を歩み始めた。
  近年、日露はアジア・太平洋地域の安定の強化に関心を集中している。両国は、G8やASEANの活動に参加することにより、国際テロリズムや大量破壊兵器拡散防止の戦いに協力している。
  両国の政治的関係の進展は、ここ10年来、新たな刺激を受けている。両国首脳の会談も何度か行われた。2003年に合意された「日露行動計画」は両国の関係強化に大きく貢献した。この共同作業は、政治対話の強化、国際場裏における協力、貿易、経済、科学、技術の分野における協力、文化的交流および両国国民間の交流の進展など種々の分野で進められた。
  経済的パートナーシップの進展による生産の効率化、総合的経済力の増大は、両国の融合の道を示ものであろう。経済的協力は日露の経済的、政治的立場の強化に役立ち、地域的、世界的問題の解決への両国の影響力を高めるであろう。
  日本企業のロシアにおける活動は増大し続けている。最近の例としては、トヨタと日産の工場建設の開始があげられよう。ロシアの企業は、日本のハイ・テク・プロジェクトに関心を示している。ロシアのエネルギー資源の日本への供給増大の可能性が議論されている。
  両国は、21世紀における政治的、経済的、社会的目標達成のため、世界的、地域的な安全を維持しなければならない。
  アジア・太平洋地域の安全の維持のためには、ASEANにおける協力を進めることが必要である。世界的な安全については、国連安保理のレベルでの協力が必要であろう。国際平和維持活動、大量破壊兵器拡散防止、地域紛争の解決における日本の役割は増大しつつある。経済成長とアジアにおける経済的リーダーになったことにより、世界政治においても日本の役割は増大した。
  安全保障といえば、エネルギー安全保障も重要である。この問題の重要性は、本年7月のG8首脳会議においても強調された。この会議においては、エネルギー安全保障への取り組みについて議論され、市場原理を反映した価格の下での、十分、かつ、安定的で環境に配慮されたエネルギー供給を目指し、共通の目標と対策が提示された。エネルギー分野における協力が、EUの石炭鉄鋼共同体のように、統合に向けたプロセスを加速させるようになるかもしれない。
  2003年に合意された「日露行動計画」において、文化的連携の重要性が強調された。この計画に基づき、お互いの文化的価値を露日国民に知らしめるため、文化フェスティバルが開催される。両国の若者の交流が拡大される。学生、青年団体および非政府機関代表者間の接触の増大も促進される。ご存じのように、このフォーラムはその試みの一環である。
  結論として、私は、解決されない問題も、勿論、たくさんあるが、年毎にその数は減少していると言いたい。我々はこれらの問題解決を続けなければならない、それが両国の関係強化への我々の貢献であろう。

(了)